NVMe SSDの性能評価
NVMe SSDとは、Non-Volatile Memory Express SSDの略で、NVMe通信規格を採用したSSDのことです。NVMeはフラッシュメモリアクセスに最適化された通信規格で、SATA SSDと比較して高速にSSDへライト/リード動作させることが可能となっています。
OKIエンジニアリングでは、NVMe SSDに対して IOPS性能評価、Latency性能評価 等の評価環境構築から物理不具合解析まで、ワンストップで対応いたします。
- データシートに記載されていない不揮発性メモリの性能評価が可能
- 不揮発性メモリの評価環境構築、試験実施から物理不具合解析までワンストップで対応
- SNIA(※1) Solid State Storage Perfomance規格に準拠した性能測定が可能
- eMMC、SDカード、SATA SSDに対して、同様の性能測定を実施可能
- ※1:SNIA :米国ストレージベンダーによって作成されたSSD性能評価の規格。
NVMe SSDの例
NVMe SSDの性能評価事例
A社のNVMe SSDを用いて、IOPS性能評価、Latency性能評価を実施した事例を紹介します。
評価試料の仕様
A社仕様 |
フォームファクタ |
M.2 Type2280 |
容量 |
250GB |
通信規格 |
PCIe Gen 3.0 x4, NVMe1.3 |
ライト性能 |
2300MB/s |
リード性能 |
3500MB/s |
TBW |
150TB |
IOPS性能評価
IOPS(Input/Output Per Second)性能評価は、1秒あたりの読み取り・書き込み回数を各条件下で計測します。
試験条件
- アドレスはランダムアクセス、書き込みデータはランダムパターン
- Block Size 1024KiB/128KiB/64KiB/32KiB/16KiB/8KiB/4KiB/0.5KiB
- R/W Mix 100/0, 95/5, 65/35, 50/50, 35/65, 5/95, 0/100
100/0:Read100%/Write0%, 95/5:Read95%/Write5%,(以降同様)
試験結果
- Block Sizeが小さいほどIOPSは高い傾向を示している。
- R/W MixのReadの割合いが大きいほど、IOPSは高い性能を示している。
[IOPS高]100%/0%(read only) > 95%/5%(read95%/write5%) > ・・・ > 0%/100%(write only)[IOPS低]
- 表1よりRead(100/0)のIOPSは、Write(0/100)より10倍以上の高い性能を示している。
- IOPSの結果(図1)をThroughput[MB/s](転送レート)に換算すると、Block Sizeが大きいほど、Throughputが高い性能を示している(図2)ことが分かる。
表1 IOPS測定結果
図1 IOPS測定結果3Dグラフ
(表1の測定結果をグラフ化)
図2 IOPS測定結果をhroughput[MB/s]
に換算した3Dグラフ
Latency性能評価
Latency性能評価は、転送要求から応答までに要する、通信の遅延時間を各条件下で測定します。
試験条件
- アドレスはランダムアクセス、書き込みデータはランダムパターン
- Block Size 8KiB/4KiB/0.5KiB
- R/W Mix 100/0, 65/35, 0/100
- Block Size 4KiBランダムライトを20min実施し、すべてのアクセスタイムを記録する(ヒストグラム作成)
試験結果
- Block Size 8KiB/4KiB/0.5KiBのLatencyは3.5ms~4msの応答性能であることが確認された(図3)。
- 図4より、Response Time(Latency)の平均値は約3.5ms近傍であるが、最大11ms程度までばらつくことが確認された。
図3 Latency Block Size 8KiB/4KiB/0.5KiB 100% Write 推移
図4 LAT Response Time ヒストグラム
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