ワイドギャップ半導体の高温逆バイアス試験: 高絶縁データロガーを用いた故障時間連続モニター試験の適用
ワイドギャップ半導体は、数100Vから1000Vを超える高電圧で使用できるため、幅広い利用が期待されています。品質確認に用いられる高温逆バイアス試験(HTRB:High Temperature Reverse Bias試験)は、最大定格温度でドレイン・ソース間に高電圧の逆バイアスを印加し、ゲート酸化膜やPN接合が破壊されないことを確認する試験です。
従来、故障判定は所定の時間ごとに試験を中断して、専用テスターで測定して確認していましたが、この方法では、時間ごとに何個故障したのかは分かりますが、実際にいつ故障したのか、またどのように劣化したのかを把握することができませんでした。
OKIエンジニアリングでは、1000Vまでの電圧源に接続できるデータロガーを高温逆バイアス試験回路の故障検出部に組み込むことで、故障時間連続モニター試験を実現しました。故障検出部にはもう1つの役割があり、複数の試験試料を1台の試験基板で実施しているときに、1個目の試料が故障しても残りの試料に影響を与えない保護回路の役割を持たせています。このように構成することで、最初の1番目の故障時間から最後の試料の故障時間までを自動でデータロガーに取り込むことが可能です。
高絶縁データロガーを用いた故障時間連続モニター試験の適用事例を紹介します。
写真1の試験基板は、耐熱ソケット、耐熱基板、耐熱ケーブルで構成されています。
写真2の故障検出基板は、試験対象デバイスのリーク電流特性(実効抵抗)にあわせてモニター抵抗(保護抵抗)値を設計して構成されています。
写真3の高耐圧データログシステムは、対接地電圧1000Vまで接続可能で、40chの同時計測が可能です。