化学分析(RoHS・REACH・環境)

フタル酸エステル類分析改正RoHS指令対応 フタル酸エステル類成分分析

フタル酸エステル類とは

フタル酸ジ-2エチルヘキシル(DEHP)の構造図
フタル酸ジ-2エチルヘキシル(DEHP)
構造図

フタル酸エステル類とは、フタル酸(オルト体)とアルコールのエステルの総称です。フタル酸エステルは樹脂の可塑剤の1種として、広く一般に使用されています。可塑剤とは樹脂の硬度を調整するための添加剤で、樹脂と混合することにより柔軟性を持たせます。フタル酸エステルはヒトへの有害性への懸念から様々な国内外の規制があります。アルコール構造を変化させることにより、様々なフタル酸エステルが合成されます。

 

フタル酸エステル類分析

RoHS指令では、従来の6物質に加え、フタル酸エステル類のうちフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHPまたはDOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)およびフタル酸ブチルベンジル(BBP)の4物質を規制対象物質として指定しています。フタル酸エステル類4物質の中でも、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)はポリ塩化ビニル(PVC)の可塑剤として使用され、多いものでは50%近い含有率の材料もあります。電子部品関連だと、配線に使用される被覆はポリ塩化ビニル製が多く、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)の含有が懸念されております。また、フタル酸エステル類は、従来RoHS指令で設定されていた蛍光X線分析によるスクリーニング分析では検出することができません。OKIエンジニアリングでは、IA/MSイオン付着型分析法Py-GC/MS熱分解ガスクロマトグラフ質量分析法によるスクリーニング分析から溶媒抽出ガスクロマトグラフ質量分析法による精密分析とIEC62321に基づいた分析方法すべてに対応しており、試料性状等により分析方法をご提案いたします。RoHS指令で規制されたフタル酸エステル4物質の分析だけでなく、その他のフタル酸エステル類の分析も提供しております。

 

IEC62321規格 RoHS指令のフタル酸エステル類分析方法

国際規格IEC62321規格でRoHS指令のフタル酸エステル類の分析方法が定められています。OKIエンジニアリングは、IEC62321規格準拠のすべての分析法で、製品に含まれるフタル酸エステル類を加えた10物質の成分分析が可能です。

IEC62321規格 RoHS指令のフタル酸エステル類分析方法
規格内容
1 電気・電子機器中における特定物質の定量手引きおよび概要
2 分解、分離及び機械的試料調製
3-1 スクリーニング―蛍光X線分光法による鉛、水銀、カドミウム、総クロム及び総臭素
3-2 スクリーニング―燃焼による高分子材料及び電子装置中の総臭素―イオンクロマトグラフィ
4 CV-AAS、CV-AFS、ICP-OES及びICP-MSによる高分子材料、金属及び電子装置中の水銀
5 AAS、AFS、ICP-OESおよびICP-MSによる高分子材料、金属および電子装置中のカドミウム、鉛およびクロム並びに金属中のカドミウムおよび鉛
6 ガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)による高分子材料中のポリ臭化ビフェニルおよびポリ臭化ジフェニルエーテル
7-1 六価クロム―比色法による金属の無色又は着色防食被膜中の六価クロム(Cr(Ⅵ))の存在
7-2 六価クロム―比色法によるポリマーおよび電子機器中の六価クロム(Cr(Ⅵ))の定量
8 熱分解装置/加熱脱着装置(Py-TD-GC/MS)を使用するガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)、ガスクロマトグラフィー質量分析法によるポリマー中のフタル酸エステル類
 

国内外でのフタル酸エステル類の規制

フタル酸エステル類の使用は、欧州規制(RoHS2、REACH)のほか、米国規制(CPSIA Section 108,California Proposition 65)、国内規制(厚生労働省(玩具、食品用器具、容器包装)、化審法)などで制限されています。OKIエンジニアリングはお客様の製品、部品に合わせて、最適な成分分析方法をご提案をいたします。

物質名称(略称) CAS RoHS SVHC 玩具 JIG
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP) 117-81-7
フタル酸ジ-n-ブチル(DBP) 84-74-2
フタル酸ブチルベンジル(BBP) 85-68-7
フタル酸ジイソブチル(DIBP) 84-69-5  
1,2-ベンゼンジカルボン酸、
炭素数7の側鎖炭化水素を主成分とする
炭素数6~8のフタル酸エステル類(DIHP)
71888-89-6    
1,2-ベンゼンジカルボン酸、
炭素数7~11 の分岐および直鎖ジアルキルエステル類(DHNUP)
68515-42-4    
フタル酸ビス(2-メトキシエチル) 117-82-8    
フタル酸n-ペンチル-イソペンチル
n-ペンチル-イソペンチルフタレート
776297-69-9      
フタル酸ジイソペンチル
フタル酸ジイソアミル(DIPP)
605-50-5      
1,2-ベンゼンジカルボン酸ジペンチルエステル(分岐・直鎖) 84777-06-0      
フタル酸ジペンチル(DPP) 131-18-0      
フタル酸ジ-n-へキシル(DHP) 84-75-3      
1,2-ベンゼンジカルボン酸ジへキシルエステル(分岐・直鎖)
フタル酸ジイソへキシル(DIHP)
68515-50-4      
フタル酸ジイソノニル(DINP) 28553-12-0,
68515-48-0
   
フタル酸ジイソデシル(DIDP) 26761-40-0,
68515-49-1
   
フタル酸ジ-n-オクチル(DNOP) 117-84-0    
 

フタル酸エステル類の移行によるRoHS指令の閾値超過の懸念

「移行による表面に付着」と「相手材料内へ浸透」 により、RoHS指令の閾値超過の懸念が生じます。懸念の理由としては、「付着した相手材料全体を均質材料とする法的根拠がないこと」また、欧州の摘発事例とし、EU緊急警告システム(RAPEX)では、「非常に低濃度(0.2wt%程度)でも摘発されていること」からリスク側に考える必要があります。

フタル酸エステル類の移行概念図
フタル酸エステル類の移行概念図

フタル酸エステル類分析事例 移行性試験

試験方法
フタル酸エステル類が含有している導電マット上に試料プレートを設置し、一定荷重を加えたときの移行量を測定する。試料は、付着もしくは表面の浸透した事を想定して表面から一部を採取して分析を実施。
想定条件

質量100kg、底面60cm×60cmを導電マット上に一時保管、またはフタル酸エステル類含有シートで梱包保管された状態を想定。
面積当りの質量:100kg÷0.36m2≒280kg/m2
試料プレートの面積:0.04m×0.04m=0.0016m2
同等になるウエイトの質量 :0.0016m2×280kg/m2≒0.45kg

フタル酸エステル類分析事例 移行性試験
フタル酸エステル類分析事例 移行性試験

結果
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