RoHS関連分析 :フタル酸エステル類・RoHS指令追加候補物質の中鎖塩素化パラフィン(MCCPs)分析にも対応します。
電気・電子機器などの製品に含まれる微量なカドミウム、鉛等の含有が欧州を中心に環境問題の観点から注目されています。これらの規制で許容レベルを超えると判断された場合は、製品の出荷が困難になります。
OKIエンジニアリングでは、RoHS指令対応(ELV指令、WEEE指令)のための既存製品の部品別評価・材料別評価から新製品(新設計品)の評価、出荷受入検査業務をワンストップソリューションでご提供します。
また当社ではサプライヤチェーンを介して含有化学物質 (chemSHERPA書式等)を代行収集するサービスも行っております。お客様の含有化学物質情報管理をワンストップでサポートいたします。
RoHS2.0の禁止物質(制限物質)を定めた2011/65/EUのAnnexⅡを置き換える(EU) 2015/863が2019年7月に施行され、禁止物質が6物質から10物質になりました。当社では、追加されたフタル酸エステル類4物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)を含め、IEC62321に準拠した分析に対応いたします。
当社ではRoHS指令の制限対象である10物質に加え、追加候補7物質すべての分析に対応しています。
規制物質 | 略称等 | 最大許容濃度 | 主な用途 |
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カドミウム | Cd | 0.01wt%(100ppm) | 樹脂不純物 |
鉛 | Pb | 0.1wt%(1000ppm) | はんだ・合金 |
六価クロム | Cr(Ⅵ) | 0.1wt%(1000ppm) | めっき |
水銀 | Hg | 0.1wt%(1000ppm) | 蛍光灯 |
ポリ臭素化ジフェニルエーテル | PBDE | 0.1wt%(1000ppm) | 難燃剤 |
ポリ臭素化ビフェニル | PBB | 0.1wt%(1000ppm) | 難燃剤 |
フタル酸ジニエチルへキシル (CAS No.117-81-7) |
DEHP | 0.1wt%(1000ppm) | 電線の被覆、プラスチック類などのの可塑剤 |
フタル酸ジブチル (CAS No.84-74-2) |
DBP | 0.1wt%(1000ppm) | 可塑剤、接着剤、印刷インクの添加剤 |
フタル酸ブチルベンジル (CAS No.85-68-7) |
BBP | 0.1wt%(1000ppm) | ポリサルファイド系樹脂の可塑剤、 建築用のポリサルファイド系シーリング材 |
フタル酸ジイソブチル (CAS No.84-69-5) |
DIBP | 0.1wt%(1000ppm) | 可塑剤 |
規制物質 | 最大許容濃度 | 主な用途 |
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三酸化アンチモン | ||
テトラブロモビスフェノールA(TBBPA) | 0.1wt%(1000ppm) | 難燃剤 |
リン化イリジウム | ||
中鎖塩素化パラフィン(MCCPs) | 0.1wt%(1000ppm) | 2次可塑剤 |
ベリリウムとその化合物 | ||
硫酸ニッケルおよびスルファミン酸ニッケル | ||
塩化コバルトおよび硫酸コバルト |
分析試料 | 分析方法 |
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カドミウム・鉛・全クロム・水銀 |
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六価クロム |
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臭素系難燃剤・フタル酸エステル類 |
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簡易分析 |
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基板など多くの部品がアセンブリされた製品のRoHS指令における有害物質分析は、当初の解釈としてはんだ付けされた部品は均質物質として扱うことが可能でしたが、有害物質が閾値を超過した場合、部品ごとにその有害物質含有量を測定していました。部品ごとにその有害物質含有量を測定するはたくさんの時間と分析労力を費やすことになります。そこで、基板全体の構成元素の分布状況を画像データとして得ることができる蛍光X線による元素マッピング分析が非常に有効です。これにより、部品個別に有害物質含有量を確認せずに、基板全体での閾値判定が可能になり、また、任意の場所をポイント分析を行うことで閾値を満足することができます。製品のロット管理や抜き打ち検査なども可能です。
部品個別に確認した製品をさらに解析していくことも可能です。これにより、鉛フリー基板に共晶はんだを使用した部品が実装されているか画像データを解析していくことで判定可能になります。
フタル酸エステルは樹脂の可塑剤の1種として、広く一般に使用されています。可塑剤とは樹脂の硬度を調整するための添加剤で、樹脂と混合することにより柔軟性を持たせます。RoHS指令では、従来の6物質に加え、フタル酸エステル類のうちフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHPまたはDOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)およびフタル酸ブチルベンジル(BBP)の4物質を規制対象物質として指定しています。フタル酸エステル類4物質の中でも、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)はポリ塩化ビニル(PVC)の可塑剤として使用され、多いものでは50%近い含有率の材料もあります。電子部品関連だと、配線に使用される被覆はポリ塩化ビニル製が多く、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)の含有が懸念されております。また、フタル酸エステル類は、従来RoHS指令で設定されていた蛍光X線分析によるスクリーニング分析では検出することができません。OKIエンジニアリングでは、IA/MSイオン付着型分析法、Py-GC/MS熱分解ガスクロマトグラフ質量分析法によるスクリーニング分析から溶媒抽出ガスクロマトグラフ質量分析法による精密分析とIEC62321に基づいた分析方法すべてに対応しており、試料性状等により分析方法をご提案いたします。RoHS指令で規制されたフタル酸エステル4物質だけでなく、その他のフタル酸エステル類の分析も提供しております。