PFAS含有量分析: お客様の含有化学物質情報管理をワンストップでサポート
PFAS(ピーファス)は人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で4500種類以上あると言われています。
近年、発がん性、生殖毒性(胎児への影響)、内分泌かく乱性などの毒性が懸念され、これらのリスクを受けて各国規制を強化しています。
少なくとも1つの完全にフッ素化されたメチルまたはメチレン炭素原子(H/Cl/Br/I原子が結合していない)を含むフッ素化物質。
代表的なPFAS
PFOS:パーフルオロオクタンスルホン酸
PFOA:ペルフルオロオクタン酸
PFHxS:ペルフルオロヘキサンスルホン酸
PFCAs:C9-14のPFCAs(ペルフルオロカルボン酸類)
主な用途
PFASは、一般的に耐熱性、難燃性、電気絶縁性、撥水・撥油性、潤滑性、耐薬品性が高くなる性質が得られる事から、電線被覆材、プリント基板、コーティング、液晶材料など幅広く利用されています。
PFAS全体で規制を受ければ電気・通信分野、自動車関連など幅広い産業に影響が出ます。
電気電子部品でのPFAS用途例
業界 | 用途 |
---|---|
半導体分野 | フォトレジスト、反射防止剤、冷媒、配管、薬液容器、プリント基板 |
電気・通信分野 | ケーブル被覆材、プリント基板、防水コーティング、液晶材料 |
自動車・航空・ 鉄道 |
ペアリング、ガスケット、シール材、配管ホース、空調用冷媒、ケーブル被覆材、作動油、絶縁材 |
近年、PFASは各国で規制が広がっています。
規制の一例
地域 | 法規制 | 改定内容 |
---|---|---|
国連 | ストックホルム条約 (POPs条約) |
・2009年5月:PFOSとその塩およびパープルオロオクタンスルホン酸フルオリドを附属書A(廃絶)に追加 ・2019年5月:PFOSとその塩およびPFOA関連物質を附属書Aに追加 ・2022年6月:ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)とその塩およびPFHxS関連物質を附属書Aに追加 |
日本 | 化学物質審査規制法 (化審法) |
・2010年4月:PFOSとその塩およびパープルオロオクタンスルホン酸フルオリドが第一種特定化学物質に指定 ・2021年10月:PFOSとその塩は化審法の第一種特定化学物質に指定 ・2023年以降:PFHxSおよびその塩、PFHxS関連物質の第一種特定化学物質に指定 ・2024年2月:PFHxSおよびその塩、PFHxS関連物質の第一種特定化学物質に指定 |
欧州 | REACH規制 | ・2017年5月:ぺルフルオロオクタン酸の規制強化 ・2021年8月:C9-14のPFCAs(ペルフルオロカルボン酸類)およびその塩が規制に追加 |
1.含有量調査サービス
含有量をお客様に代わって代理店・部品メーカーに調査し、お客様から提供されたフォーマット、もしくはchemSHERPAフォーマット形式で回答します。
PFAS規制/米国TSCA規制物質調査の詳細はこちら
2.含有量分析サービス
製造中止部品や海外メーカー部品など、部品メーカーから含有量の回答が得られない場合は、フッ素含有量、PFAS対象物質を分析します。
PFAS物質は膨大であるため、個々の成分すべてを分析する事は難しく、フッ素含有量を分析することでスクリーニングを実施するか、対象項目を絞って分析します。
分析項目 | 手法 | 下限値 |
---|---|---|
全フッ素 | 燃焼-イオンクロマトグラフ法(※1) | 50ppm |
分類・略語 | 規制物質 | CAS.NO | 規制値 | 定量 下限値※2 |
|||
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REACH | 欧州POPs 規則 |
||||||
SVHC | ANNEX ⅩⅦ | ||||||
PFBS | パーフルオロブタンスルホン酸(PFBS)およびその塩 | 375-73-5 29420-49-3 |
1000ppm | - | - | - | 2~20ppb |
PFHxS | パーフルオロヘキサンスルホン酸とその塩 | 355-46-4 | 1000ppm | - | - | ●PFHxS又はその塩25ppb ●関連物質の合計値1ppm |
2~20ppb |
PFOS | パーフルオロオクタンスルホン酸 | 1763-23-1 | - | - | - | ●物質・混合物10ppm ●半製品・成形品1000ppm ●繊維・被覆材1μg/m2 |
25ppb |
PFOA | ペルフルオロオクタン酸 | 335-67-1 | 1000ppm | 25ppb | 関連物質の合計値1000ppb | ●PFOAとその塩25ppb ●関連物質の合計値1ppm |
2~20ppb |
PFCAs(C9-C14のPFCAsとその塩) | PFNA-パーフルオロノナン酸(そのナトリウム塩、アンモニウム塩)C9-PFCA | 375-95-1 21049-39-8 4149-60-4 |
1000ppm | 25ppb | 関連物質の合計値260ppb | - | 2~20ppb |
PFDA-ノナデカフルオロデカン酸 C10-PFCA | 3108-42-7 335-76-2 3830-45-3 |
1000ppm | 25ppb | - | 2~20ppb | ||
PFUnDA-ヘニコサフルオロウンデカン酸 C11-PFCA | 2058-94-8 | 1000ppm | 25ppb | - | 5~20ppb | ||
PFDoDA-トリコサフルオロドデカン酸 C12-PFCA | 307-55-1 | 1000ppm | 25ppb | - | 2~20ppb | ||
PFTrDA-ペンタコサフルオロトリデカン酸 C13-PFCA | 72629-94-8 | 1000ppm | 25ppb | - | 2~20ppb | ||
PFTDA-ヘプタコサフルオロテトラデカン酸 C14-PFCA | 376-06-7 | 1000ppm | 25ppb | - | 2~20ppb | ||
その他のPFAS | 2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロピオン酸とその塩、そのハロゲン化合物(各異性体およびその混合物を含む) | 62037-80-3 13252-13-6 67118-55-2 2062-98-8 122499-17-6 |
1000ppm | - | - | - | 5~20ppb |
パーフルオロヘプタン酸およびその塩 | 375-85-9 20109-59-5 6130-43-4 21049-36-5 |
1000ppm | - | - | - | 2~20ppb | |
2,2,3,3,5,5,6,6-オクタフルオロ-4-(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン-2-イル)モルホリンと2,2,3,3,5,5,6,6-オクタフルオロ-4-(ヘプタフルオロプロピル)モルホリンの反応生成物(※3) | 1600-71-1 | 1000ppm | - | - | - | 500ppm |
LC-MS/MSでPFCAsを分析した事例です。
PFCAs C7~C14の各成分を個別に分析可能です。
有機フッ素化合部クロマトグラム(REACH規制項目分)
分析項目 | 炭素数 | 項目名 | 略語 | CAS No. | 規制対象 |
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PFCAs | C7 | Perfluoroheptanoic acid | PFHpA | 375-85-9 | REACH SVHC 28次 |
C8 | Perfluorooctanoic acid | PFOA | 335-67-1 | REACH SVHC 9次 | |
C9 | Perfluorononanoic acid | PFNA | 375-95-1 | REACH SVHC 14次 | |
C10 | Perfluorodecanoic acid | PFDA | 335-76-2 | REACH SVHC 16次 | |
C11 | Perfluoroundecanoic acid | PFUnDA | 2058-94-8 | REACH SVHC 8次 | |
C12 | Perfluorododecanoic acid | PFDoDA | 307-55-1 | REACH SVHC 8次 | |
C13 | Perfluorotridecanoic acid | PFTrDA | 72629-94-8 | REACH SVHC 8次 | |
C14 | Perfluorotetradecanoic acid | PFTeDA | 376-06-7 | REACH SVHC 8次 |