シップリサイクル法: 材料宣誓書に記載する、有害物質の測定に対応
船舶解体は主に南アジア諸国で行われていますが、労働安全衛生や環境保全が十分でない現場では、死傷事故や環境汚染が大きな問題となっています。こうした状況を改善するため、国際海事機関(IMO)による「シップリサイクル条約(ホンコン条約)」が2009年5月に採択され、2025年6月に発効しました。
日本でも同日に「船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律(シップリサイクル法)」が施行されています。日本の海運・造船業は、船舶解体時の環境保全と安全性の確保を目的とし、国際規律に則って、材料宣誓書(MD)やインベントリ(IHM/有害物質一覧表)の作成・維持・備置が義務付けられています。
OKIエンジニアリングでは、シップリサイクル法に基づき、MDに記載する有害物質の化学分析・測定サービスを提供しています。
材料宣誓書(MD)の作成に必要な分析に対応しています。
材料宣誓書に記載が必要な有害物質
有害物質 | 閾値 | ||
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A-1 | アスベスト | 0.1% | |
A-2 | ポリ塩化ビフェニル(PCBs) | 50mg/kg | |
A-3 | オゾン層破壊物質 | クロロフルオロカーボン(CFCs) | 閾値なし |
ハロン | |||
他の完全にハロゲン化されたクロロフルオロカーボン | |||
四塩化炭素 | |||
1,1,1-トリクロロエタン | |||
ハイドロクロロフルオロカーボン | |||
ハイドロブロモフルオロカーボン | |||
臭化メチル | |||
ブロモクロロメタン | |||
A-4 | 有機スズ化合物 | トリブチルスズ | スズの含有量 2500mg/kg |
トリフェニルスズ | |||
酸化トリブチルスズ(TBTO) | |||
A-5 | シブトリン | シブトリンの含有量が 1000mg/kg 又は 200mg/kg※1 |
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A-6※2 | PFOS | 10mg/kg | |
B-1 | カドミウムおよびカドミウム化合物 | 100mg/kg | |
B-2 | 六価クロムおよび六価クロム化合物 | 1000mg/kg | |
B-3 | 鉛および鉛化合物 | 1000mg/kg | |
B-4 | 水銀および水銀化合物 | 1000mg/kg | |
B-5 | ポリ臭化ビフェニル類(PBBs) | 50mg/kg | |
B-6 | ポリ臭化ジフェニルエーテル類(PBDEs) | 1000mg/kg | |
B-7 | ポリ塩化ナフタレン(塩素原子数が3以上) | 50mg/kg | |
B-8 | 放射性物質 | 閾値なし | |
B-9 | 一部の短鎖型塩化パラフィン | 1% | |
B-10※2 | HBCDD | 100mg/kg |