事務所、家庭用品の電子機器に多く用いられるモジュール電源の安全性を確保することが重要になっています。OKIエンジニアリングでは、お客様が自社で製造した電源ユニット(※1)や装置に組み込むために購入した電源ユニットについて、回路設計上の安全性確認(基本特性試験、安全性確認試験、信頼性試験)や故障解析、および対策の提案などの技術サービスを提供しています。
電源評価試験として、電源モジュール(ACアダプタ・DC-DCコンバータ)の基本特性試験、信頼性試験、安全性確認試験や故障解析を行います。ご提案は、ベーシックな部分も含め下記のフロー3ステップでのご提案をいたします。
カタログ(購入品の場合)や個別仕様にて製品化された電源モジュール製品の基本特性(静特性試験、立上り/立下り時間等)を試験・確認いたします。
試験内容 | 試験一例 |
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静特性 | 出力電圧確認 |
立上り/立下り時間 | 波形観測 規定内か確認 |
保持時間 | 波形観測 規定内か確認 |
突入電流 | 波形観測 位相角0°,90°で確認 |
出力リップルノイズ | 波形観測 リップル電圧確認 |
人的保護に関する試験、不安定動作、異常発熱および過電圧や、過電流による部品への過剰なストレスなど固有の保護機能を含めて安全性試験項目(絶縁抵抗、過電流保護、部品温度上昇等)から該当する安全性試験を実施いたします。筐体に組み込んだ状態(最終製品形態)での熱特性評価(高解像度サーモビューアによる熱分布の測定)を行うことで、高温素子の特定が可能になり、熱設計の確認・改善が可能になります。
試験内容 | 試験一例 | 安全性に関連する規準類 |
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絶縁抵抗試験 | 出力電圧確認 | IEC/UL/EN 60335 JIS C 9335(家庭用機器) IEC/UL/EN 60960, JIS C 0950(情報処理用機器) IEC/UL/EN 61010, JIS C 1010(計測制御用機器) IEC/UL/EN 60601, JIS T 0601(医療用機器) |
絶縁耐圧試験 | 規定電圧(例AC1500V)を印加(例:一次~二次間)、絶縁破壊がないことを確認 | |
過電流保護試験 | 出力電流を増大し保護機能が動作する出力電流を確認 | |
漏洩電流試験 | 入力ラインの漏洩電流確認 | |
部品温度上昇試験 | 主要な部品の表面温度を確認 | |
オープン・ショート試験 | 主要な部品について、オープン・ショート試験を実施。発煙・発火(継続)がないことを確認 |
サーモビューア温度分布像により、良品と比較して不具合品はダイオードの発熱が確認できます。
最大定格電流を通電し、サーモカメラで各部品の温度上昇の熱分布の測定をします。異常発熱(火傷の危険・アルミ電解コンデンサ寿命への悪影響)の有無を確認します。
主要部品をわざと開放、又は、短絡させることで、異常な発熱が起こらないかどうかをサーモカメラで温度上昇を確認する異常発熱・発火の危険を事前に洗い出します。
寿命の短い部品が使用されていると、製品の保証寿命を満足しない場合があります。
電源ユニットに対してストレス(温度、湿度、静電ノイズ、電源電圧変動等)を与えることで、フィールド故障の確認や寿命推定が可能になります。
試験内容 | 試験一例 | 参照規格 |
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低温放置試験 | 低温放置試験装置で72時間、電源モジュールを取り出し2時間後に動作確認 | JIS C/ IEC 60068-2-1 |
低温動作試験 | 低温動作試験装置で5時間、電源モジュールを取り出し2時間後に動作確認 | |
高温放置試験 | 高温放置試験装置で96時間、電源モジュールを取り出し2時間後に動作確認 | JIS C/ IEC 60068-2-2 |
高温動作試験 | 高温動作試験装置で96時間、電源モジュールを取り出し2時間後に動作確認 | |
温度サイクル試験 | 1サイクル:-20℃で2時間 ⇒ 40℃で20時間 ⇒ 0℃で20時間 ⇒ 20℃で2時間 上記を2サイクル行い、電源モジュールを取り出し2時間後に動作確認 |
JIS C 0025/ IEC 60068-2-14 |
高温高湿試験 | 40℃/95%RH 48時間 2時間後に動作確認 | JIS C 60068-3-4/ IEC 60068-2-67 |
複合温度サイクル試験 | 温度サイクル試験+電源ON/OFFの複合試験 |
JIS C/ IEC 60068-2-38 |
耐ACノイズ試験 | ノイズ幅50,200,1000ns、出力パルス50Ω負荷1.6kV パルス極性 正負,注入相R/S | IEC61000-4 |
静電気放電試験 | 気中1箇所 10回0~5kV | IEC/ EN 61000-4-2 |
電源瞬断 | 周期120サイクル 時間2サイクル 瞬断100% 時間3分 | IEC 61000-4-11 |
電圧変動 | 100V±15% | |
周波数変動 | 50/60Hz±5Hz | |
雷サージ試験 | 8kV | IEC 61000-4-5 |
電源モジュールは産業用機器、LED照明器具、家電製品およびパーソナル製品等あらゆる電気製品に使用されています。これらの電源モジュールの品質問題は製品自体の機能喪失だけでなく、人体に危険におよぼしたり、発火・発煙などにより物質的な損害を与えます。当社は電源モジュールの故障解析をワンストップで提供します。
御客様が使用している環境、製品仕様、故障状況の詳細を確認します。
回路図解析・波形観測実施します。
AC-DC電源構成例
不具合部品は出力回路電解コンデンサと特定します。
故障品に実装されていたアルミ電界コンデンサのX線写真像
X線観察にてコンデンサ内部構造に異常があることが判明(部品不良)
ACアダプタの外観観察で、樹脂ケースの変形を確認
ACアダプタの外観像
サーモビューワによる部品温度測定を実施
ACアダプタのサーモビューワによる部品温度測定像
樹脂変形箇所部 整流ダイオードが発熱している。整流ダイオードの異常と推定
波形観測実施、逆方向電流が大きかった(部品不良)
近年、低消費電力で長寿命のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いた照明器具が新規設備や交換設備として多用されています。需要の増加に伴いLED照明器具を構成する電源部(ユニット)の故障も増加しています。電源部の故障は火災など多大な被害を伴うこともあるため、事前の安全性評価や故障品の故障解析による原因究明と改善が重要です。当社では、LEDの信頼性試験、LED照明器具用電源の安全性評価、LED照明のEMC試験・製品安全試験、故障解析、をワンストップで提供いたします。