耐腐食評価: 金属材料またはめっき皮膜・塗装皮膜を施した部品・製品の耐腐食評価を実施
金属材料が塩分によって腐食するメカニズムは電気化学的ですが、非金属材料で生じる劣化は、その材料と塩分の複雑な化学的反応が原因である事がわかっています。反応が進む速度は、供試品の表面への酸化塩溶液の付着量、供試品の温度、周囲温度および周囲湿度で決まります。
OKIエンジニアリングでは、金属材料またはめっき皮膜・塗装皮膜を施した部品・製品の耐腐食評価を実施しています。
アルミは鉄に比べて軽いほか、対腐食性に優れる素材で、大気中のガスなどに対して高い耐腐食性があります。これは、アルミは酸素と非常に結び付きやすい性質で、表面に非常に緻密な構造をした保護力の強い酸化皮膜(Al2O3)を形成するためです。酸化皮膜(Al2O3)は、酸素が存在する場所であれば、キズが付くなどしても再生しますが、機械的に損傷を受けたり、化学的溶解など、その回復機能が妨げられた場合、腐食が進行してしまいます。その中でも特に、塩分には弱く、塩分が付着すると図1のように酸化皮膜が破壊され、アルミ腐食が進みます。この腐食によって発生する孔食(※1)は目視での確認は難しいですが、時間経過に伴って、アルミに穴が開くほど進行していきます。
図1.アルミ(Al)腐食成長過程模式図
アルミの耐腐食性を確かめるこれまでの手法としては、実体顕微鏡等による外観観察、JIS規格等で規定されている腐食試験の評価方法「レイティングナンバー法(※2)」および「腐食減量法(※3)」等がありますが、これらの手法では腐食の定量化が難しいとされてきました。当社は正確な3次元測定が可能なレーザー顕微鏡によりアルミ腐食による孔食の深さを評価することで、腐食の定量化が可能です。