硫黄(S8)ガス腐食試験: エンジンルーム内に実装される電子部品や回路基板に対し、実環境に近い環境での硫黄ガス耐性を確認することが可能
自動車のエンジンルーム内には、エンジンとさまざまな機器との接続ホースや封止材にゴム部品が使用され、それらゴム部品に硫黄を混ぜあわせる反応により、弾性と耐熱性を持つようになります。エンジンルーム内の高熱により、ゴム部品から発生した硫黄ガスはECUの電子部品や回路基板の金属部位を腐食させ、オープン故障等の原因になります。
硫黄(S8)ガス腐食試験とは、ゴム部品から発生する硫黄ガスによる車載機器の腐食を評価する試験です。 OKIエンジニアリングでは、エンジンルーム内の環境を模擬した腐食試験方式として、小型電子部品向けのオイルバス方式と大型モジュール・ユニット機器向けの恒温槽方式の2つの方式を用いています。エンジンルーム内に実装される電子部品や回路基板に対し、実環境に近い環境での硫黄ガス耐性を確認することが可能です。
エンジンルームでは、マスターバックホース、エンジンサージホース、フードシール、コネクターの防水ゴムパッキン、ラジエターホース、インテークパイプなどのゴム部品が使用されています。ゴムの耐熱性向上のため、硫黄の添付量が近年増えており、これらから発生する硫黄ガスがECUの電子部品や回路基板を腐食させ、接触不良を起こすケースがあります。
OKIエンジニアリングでは、小型電子部品向けのオイルバス方式と大型モジュール・ユニット機器向けの恒温槽方式の2つの方式で、実環境を模擬した腐食試験を行っています。
オイルバス方式 | 恒温槽方式 | |
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対象品 | 電子部品 | モジュール・ユニット |
最大サイズ | ビーカー内:φ40mm×90mm ※ビーカーは最大4個まで |
300mm×300mm×150mm |
温度 | ~100℃(OIL温度) | ~95℃(槽内温度) |
湿度 | 加湿なし | 加湿なし |
試験時間 | 1000H | 1000H |
評価方法 | 外観観察、特性確認、分析など | 外観観察、特性確認、分析など |
OKIエンジニアリングでは、ガス腐食試験後の外観観察、特性確認、分析等を実施しております。また、ガス腐食試験は、耐水、耐オゾン性、耐熱性、耐寒性、耐腐食性などさまざまな信頼性環境試験と組み合わせることも可能です。当社の試験事例を紹介いたします。