信頼性評価試験、環境試験

高分子材料の劣化評価: お客様の効率的な評価データの取得を支援し、材料選定や製品開発サイクルの短縮に貢献

高分子材料の劣化評価

環境保護意識の高まりとともに、各産業界では高分子材料をはじめとしたサステナブル材料の利用検討が進んでいます。当社ではこれまで、オゾン試験耐候性試験、FT-IRによる化学的特性評価を中心に本サービスを提供してきました。熱老化試験と硬度測定のラインナップを拡充し、試験から評価までをワンストップでサービス提供することにより、お客様の効率的な評価データの取得を支援し、材料選定や製品開発サイクルの短縮に貢献します。

高分子材料の劣化評価サービスの概要

高分子材料の劣化評価サービスの概要

高分子材料の劣化評価項目例

劣化試験例

試験項目 内容・備考
熱老化試験(耐熱性試験) 材料の熱劣化を促進
オゾン試験 材料のオゾン雰囲気化での劣化を促進
耐候性試験 材料の太陽光、温度、湿度、降雨等の劣化を促進
耐油・耐溶剤・耐薬品性試験 材料の各薬品の浸漬、塗布

劣化評価例

試験項目 内容・備考
外観 割れ(クラック)、変色、ふくれ等
断面 内部の巣(ボイド)、フィラー等
寸法 変形、膨潤等
硬さ デュロメータ、マルテンス硬さ
引張り・曲げ強度 引張・圧縮応力、降伏応力等
衝撃強度 シャルピー衝撃強度、アイゾット衝撃強度
FT-IR 樹脂組成解析
熱機械測定(TMA 軟化点・伸縮・収縮
示差熱・熱重量測定(TG-DTA) 酸化・酸化分解・熱分解温度
電気絶縁性 絶縁抵抗の変化より、劣化を評価
燃焼性 材料の燃え難さを評価

一部、外部試験所利用の内容も含まれます。

オゾン試験によるゴムの劣化評価例

試験条件
参考規格:JIS K 6259
試料:ゴム種(CR、NBR)、ダンベル3号試験片 引張負荷20%
試験温度:40℃
オゾン濃度:50pphm

結果(外観・引張強度)
初期、24h、48hの各時点で試料の外観観察と引張強度の測定を実施しました。
NBRゴムでは、試験時間の経過に伴い外観上でクラックの発生・進行が確認され、CRゴムと比較して引張強度の低下が確認されました。
ゴム材料は一般的に応力のかかる方向に対し垂直にクラックが発生するため、製品状態で加わる応力の方向・程度を考慮して試験方法を選定することが重要です。

オゾン試験による外観の変化
オゾン試験による外観の変化

オゾン試験によるゴムの劣化評価例
オゾン試験による引張強度の変化

試験条件
参考規格:JIS K 6259
試料:ゴム種(CR、NBR、シリコーン)、ブロック状試験片 負荷なし
試験温度:40℃
オゾン濃度:50pphm

結果1(FT-IR)
CRゴム…試験時間の増加に伴い、低分子化が進行
NBRゴム…試験時間の増加に伴い、酸化劣化および低分子化が進行
シリコーンゴム…試験による劣化はほとんどなし

結果2(硬度)
CRゴム…初期~24hでは硬度の変化なし、24~48hで硬度増加
NBRゴム…初期~24hでわずかに硬度が増加、その後変化なし
シリコーンゴム…硬度の変化なし

結果(まとめ)
材料劣化傾向について、化学的な劣化傾向と物理的な劣化傾向が一致しない場合もあります。複数のパラメータで評価を行うことや、製品となった際に弱点となる懸念があるパラメータに着目して評価を行うことが重要です。

赤外吸収スペクトル CRゴム
赤外吸収スペクトル CRゴム

赤外吸収スペクトル NBRゴム
赤外吸収スペクトル NBRゴム

赤外吸収スペクトル シリコーンゴム
赤外吸収スペクトル シリコーンゴム

オゾン試験
オゾン試験による硬度の変化(デュロメータA)

高分子材料の劣化評価のお問い合わせ先
WEBからのお問い合わせ:お問い合わせフォームはこちら
電話:03-5920-2366

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