北米地域のデジタル機器・情報技術機器のEMC試験: JABより認定を受けたISO/IEC 17025の認定試験所として、高信頼性の試験サービスを提供
アメリカ合衆国の通信・電波の規制はFCC (Federal Communications Commission, 連邦通信委員会) によってなされています。FCC関連の規則として、非意図的放射機器の測定に対する要求事項は、CFR (Code of Federal Regulations) Title 47のPart 15 Subpart Bでまとめられています。しばしば、FCC Part 15 Subpart Bとも表現されます。
FCC Part 15 Subpart Bは、「RFエネルギーを機器内での使用のために意図的に発生し、あるいはRF信号を関連機器に接続される配線を介して伝導によって送るが、RFエネルギーを放射や誘導で放射することが意図されていないもの」に適用されます。RFエネルギーには9 kHz以上の周波数の電気信号が含まれるため、多くの機器が非意図的放射機器に該当します。
試験方法として参照されるANSI C63.4や限度値には、国際EMC規格であるCISPR規格とは異なる箇所があります。また、「デジタル機器が生成または使用する最大周波数 (※) 」によっては、40 GHzまでの測定が必要になる場合があります。以下は不要放射に対する限度値です。
周波数 [MHz] |
クラスA限度値 (10m) [dBμV/m] |
クラスB限度値 (3m) [dBμV/m] |
---|---|---|
30 – 88 | 39.1(QP) | 40.0(QP) |
88 – 216 | 43.5(QP) | 43.5(QP) |
216 – 960 | 46.4(QP) | 46.0(QP) |
960 – 40,000 | 69.5(PK) 49.5(AV) |
74.0(PK) 54.0(AV) |
カナダの通信・電波の規制はISED (Innovation, Science and Economic Development Canada) によってなされています。
この規制のうち、不要放射に対する要求事項は、ICES (Interference-Causing Equipment Standard) で定められており、デジタル機器の不要放射はICES-003で規定されています。
ICES-003は、干渉を発生させる機器のうち、「少なくとも9 kHzのタイミング信号やパルスを発生するか使用する、また、計算・表示・制御・データ処理や保存等の目的でデジタル技術を利用する、他のICESの対象とならないデバイスやシステム全般」に適用されます。ただし、内燃機関や航空機内のみでの使用が意図された機器等、一部の品目はこの対象から除外されます。
ICES-003は、2020年にissue 7が発行されています。旧版のissue 6と比較すると、主に次のような変更点があります。
①issue 6ではFCC Part 15 Subpart BとCISPR 22の2つの限度値が規定されていたが、issue 7でFCCに一本化された
②issue 6ではANSI C 63.4とCISPR 22の2つの測定方法が認められていたが、issue 7でCISPR 22がCAN/CSA-CISPR 32 (CISPR 32を一部修正したカナダの国家規格) に変更された
OKIエンジニアリングは、JAB (日本適合性協会) より認定を受けたISO/IEC 17025の認定試験所として、高信頼性の試験サービスを提供いたします。
上述のとおり、FCC Part 15, ICES-003では、最大で40 GHzまでの放射エミッション測定が要求されます。近年、高速化が進むデジタル機器に対して、40 GHzまでの放射エミッション測定にも対応いたします。