化学分析(RoHS・REACH・環境)

シリコーンガス試験シロキサン雰囲気中での動作試験

シリコーンガス試験とは、試験品を低分子シロキサン雰囲気下にて動作させ、電気接点やモーターなどに不具合が起きないか(再現試験の場合は不具合が起きるか)を確認する試験です。一般的なガス試験で使用するガス種は、硫化水素・二酸化硫黄・塩素・二酸化窒素などで簡易分析が可能ですが、シリコーンガス(=低分子シロキサン)は簡易分析する術が無く、ガスクロマトグラフ質量分析などの分析装置に頼ることとなります。
シリコーンガス試験は公的に決められた試験方法が無く、データを求める会社ごとに設定されていますが、いずれも内部濃度の測定が肝要です。OKIエンジニアリングはシロキサン分析・解析を得意としており、内部雰囲気濃度の測定のみならず、発生のメカニズムまで熟知しています。経験と実績に裏打ちされた知識を活用し、トヨタ技術標準などに規格された試験方法を含む設定された種々の試験方法に対応しております。

シリコーン濃度調整方法

直接注入法

チャンバ内に、所定の濃度となるように算出した量のシリコーンオイルを注加する方法。内部濃度の実測をしない場合は、一番簡単な試験方法です。

自然気化法

チャンバ内にシリコーンオイルを入れた容器を入れ、その容器から徐々に気化するシリコーンオイルで濃度を調整する方法。シリコーンオイルの揮散量は当該シリコーンオイルの蒸気圧、容器の開口面積、および開口部のふちから液面までの深さに依存します。

ベーパー添加法

気化させたシリコーンオイルをチャンバ内に一定量搬送し、所定の濃度となるように搬送量を調整する方法。

  • これらの試験方法名称は、それぞれの試験方法を要約して当社が付したものです。同じ方法でも異なる名称の場合もございます。

シリコーンガス分析方法

内部ガス濃度の分析を指定されている場合、固体捕集+熱抽出ガスクロマトグラフ質量分析装置が指定されていることが殆どです。ガスクロマトグラフ質量分析により得られるデータは、tSCANモードの場合トータルイオンクロマトグラムといい検出された成分のピークが確認できます。同じ条件で測定すると必ず同じ横軸の位置にピークが溶出します。ピーク面積は検出された量を表すため、既知濃度のシリコーンオイルのピーク面積と雰囲気を分析したときのピーク面積の比から、検出量を求め、吸引した雰囲気の量で除すことにより濃度が算出できます。この他にもいくつか分析方法はございますが、OKIエンジニアリングではその他の方法にも対応可能です。

その他

動作試験

シリコーンガス試験の目的は、シリコーン雰囲気中で対象品を動作させ、不具合の有無を確認することです。シリコーン雰囲気下で起きる代表的な不具合は、電気接点の不導、モーターの焼きつきなどがあります。これらの動作試験は電源を入れるだけのものから、専用のコントローラーで動作させるもの、物理的にスイッチを押すものなど、様々な試験があり、その動作条件によっても不具合の出方が異なります。

シリコーン

一般的にシリコーンは有機ケイ素化合物の総称ですが、この試験において雰囲気を作成するシリコーンとは、低分子シロキサンのことを言います。常温または常温プラスαの領域で気化可能な分子量のシリコーンで、環状と鎖状に大別され、さらにイソマーごとに分類されています。シリコーンガス試験では、不具合発生閾値の示されている環状4量体(D4=オクタメチルシクロテトラシロキサン)や、気化させやすい鎖状の3量体(M3)が主に使用されます。試験に使用するものはケイ素-アルキル結合(Si-R bonds)のRがメチルであるものですが、解析上はRがフェニルでできているもの見られます。またシリコーンオイルの商品名で指定される場合もありますが、それらもの多くは低分子シロキサン単一の成分で構成されています。

塗布試験

解説した試験のほかに、シリコーン試験という名称でシリコーンオイルを塗布する方法もございますがこちらも対応しております。

シリコーンガス試験に関するお問い合わせ先
WEBからのお問い合わせ:お問い合わせフォームはこちら
電話:03-5920-2356

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