リチウムイオン電池の経年劣化安全性評価: 焼損のリスクを顕在化させ、安全性の高い電池の採用を支援
リチウムイオン電池の経年劣化安全性評価は、これまでに当社が蓄積したリチウムイオン電池の評価・解析の知見を活用し、新品の電池に使用温度範囲内で充放電サイクルを行うことで、経年劣化させた電池を作製し、これらの電池をサンプルとして用いて、多方面から安全性を評価することで、新品では見えなかった焼損・発火のリスクを顕在化させて、電池の安全性を確認します。
この評価は、リチウムイオン電池搭載製品を設計・製造するメーカーに、より安全性の高い電池の選定や採用、製品設計に繋げることが可能です。
当社では、電池に内在する欠陥を検出し、安全性に関する評価を行うとともに、経年劣化により焼損が発生するリスクが顕在化した電池に対して、安全性の評価を実施します。
評価の確認については、電池単体に加えて、電池搭載製品全体での評価が可能です。
評価メニューは、以下のとおりです。
円筒型リチウムイオン電池(18650)について実施しました。
新品電池:3.7V、1950mAh/経年劣化品:新品の電池にサイクル試験(200サイクル、45℃保管)を実施
当社で実施した評価メニュー(3、6)の検査結果の一部を紹介します。
X線CT検査装置を用いて、内部電極の状態を確認しました。経年劣化品の電池では、内部電極が膨張したような変形が発生し、電池が劣化した状態が確認されました。
電池評価槽を用いて、槽内部の温度を室温から上昇させ、焼損・発火のイベントが発生するまで、電池の温度を測定しました。経年劣化品は、急激な温度上昇が170℃付近と新品よりも温度が低く、高温耐性が低下し、熱による安全性の低下が確認されました。