たとえばCPUボードの誤動作を解析してみると、デバイスの入力電圧、入力タイミング等のマージンが少ないために誤動作していることがあります。このような不具合を避けるためには“シュムープロット”によるマージン解析がお薦めです。“シュムープロット(shmoo plot)”とは、入力タイミングと電源電圧といった相関のあるパラメータを連続的に変化させて相互の依存性を測定したものを2軸のグラフとしてプロットし、測定結果を視覚的にみせるものです。
デバイスのハイレベル入力電圧(VIH)、ロウレベル入力電圧(VIL)の電源電圧(VCC)に対するマージンを測定したシュムプロットを図1,2に、入力のタイミング(IN1)の電源電圧(VCC)に対するマージンを測定したシュムプロットを図3に示します。図3からは、入力規定値20nsに対して、5nsのマージンがあることがわかります。このように、視覚的に測定結果を知ることができる“シュムプロット”はマージン解析に有効な手法です。
図1 SHM・SHEET 入力電圧特性シュム(VIL) | |||
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Item | Start | Stop | Step |
入力電圧 X:(VIL_1) |
1.5V | 0.0V | Auto |
電源電圧 Y:(VCC) | 3.0V | 3.0V | - |
図1 【出力例】入力電圧特性シュム(VIL)
図2 SHM・SHEET 入力電圧特性シュム(VIH) | |||
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Item | Start | Stop | Step |
入力電圧 X:(VIH_1) |
2.5V | 1.0V | Auto |
電源電圧 Y:(VCC) | 3.0V | 3.0V | - |
図2 【出力例】入力電圧特性シュム(VIH)
図3 SHM・SHEET ACタイミング特性シュム(入力) | |||
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Item | Start | Stop | Step |
入力タイミング X:(IN1) |
0.0ns | 40ns | 0.05ns |
電源電圧 Y:(VCC) | 3.6V | 3.0V | -0.1V |
図3 【出力例】ACタイミング特性シュム(入力)