化学分析(RoHS・REACH・環境)

ナノマテリアルの計測・評価

半導体試料研磨機付近でのナノマテリアル計測
半導体試料研磨機付近でのナノマテリアル計測

ナノマテリアルとは、100nm(ナノメートル)を下回る粒子の事で、従来の材料にはない優れた性質を有するカーボンナノチューブ、カーボンブラック、二酸化チタン、フラーレン、酸化亜鉛、シリカ新素材等が該当します。ナノマテリアルは、組成単位がごく小さくなることにより、表面積が広く、細胞中への侵入が可能である利用価値はとても大きなもので同じ素材でも従来の材料にはない強靭性、高電気伝導性、高熱伝導性に優れ、蓄電デバイス、燃料電池、医療などでの応用が考えられています。しかし、人体や動植物への影響が懸念され、ナノマテリアルの製造・加工等を行う事業所では、ナノマテリアルのリスク(有害性と曝露の両面)を考慮し、作業員へのばく露防止や排出防止の重要性が高まってきています。OKIエンジニアリングでは、ナノマテリアルを取り扱う事業所内のナノマテリアル濃度測定、粒子数測定、捕獲粒子の観察をし、曝露状況を調査いたします。

  • ナノマテリアルを取り扱う事業所内(半導体工場、塗料・インク工場、医薬品工場、化粧品工場)の作業環境測定、ナノマテリアル濃度測定、粒子数測定、捕獲粒子の観察(X線マッピングによって元素分析も可)を行い、曝露状況を調査

測定データ例

ナノスキャンを使用した粒子径分布の計測データの一例です。

計測データの一例

ナノマテリアルの用途、生産量および性状について

近年、カーボンナノチューブを中心に研究開発が積極的に行われており、今後さらに新しいナノマテリアルが開発され、様々な用途に用いられていくことが予想されています。用途としては、家電・電気電子製品、化粧品、塗料・インクに多くのナノマテリアルが使用されています。種類別では、シリカ、銀+無機微粒子(銀イオンをシリカ、アルミナ等に付着させたもの。)酸化チタン、ナノクレイ、酸化亜鉛が多くの分野で使用されています。使用量については、カーボンブラック、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛等が多く使用されています。ナノマテリアルの用途例表中の○、△、○△の意味は、下記の通りです。

○:現状の用途、△:将来可能性のある用途、○△:将来用途分野が拡がる領域

ナノマテリアルの用途例(※1
  医薬品等 化粧品 食品・食品容器包装 繊維 家庭用品・スポーツ 家電・電機電子製品 塗料・インク その他(紙加工等)
カーボンブラック         ○△   ○タイヤ
シリカ  
酸化チタン     ○△
酸化亜鉛    
単層カーボンナノチューブ
(SWCNT)
          ○△    
多層カーボンナノチューブ
(MWCNT)
       
フラーレン          
デンドリマー ○△        
        ○△   △触媒
銀+無機微粒子    
             
アルミナ         ○△  
酸化セリウム            
ポリスチレン         ○△  
ナノクレイ ○△       ○農薬
カーボンナノファイバー         ○△   △風力発電プロペラ
顔料微粒子              
アクリル微粒子         ○△  
リポソーム(※2          
白金ナノコロイド         ○触媒
量子ドット(※3           ○研究用試薬
ニッケル              
  • ※1:平成21年3月厚生労働省ナノマテリアルの安全対策に関する検討会資料より引用
  • ※2:脂質二分子膜が球状の殻になった構造を持つ。大きさは製造方法や条件に依存するが、直径20~100nm程度である。生体膜の基本構造を持っており、ドラックデリバリーシステムやバイオセンサー等への応用が研究開発されている。
  • ※3:量子ドットとは、半導体微細加工により人工的に作られた「人工原子」を二個結合することによって得られる人工的な分子である。超高速計算が可能な量子コンピューターへの応用等が期待されているとのことである。

使用機器

pm2.5使用機器

使用機器名
:ナノスキャン(粒子径分布計測器)SMPS 3910(TSI社製:東京ダイレック)
粒子測定範囲
:10~420nm
濃度範囲
:1×100~1×100000個/cc

pm2.5使用機器

使用機器名
:携帯型凝縮粒子カウンターCPC3007(TSI社製:東京ダイレック)
粒子測定範囲
:0.01~1.0 µm
濃度範囲
:1×100~1×100000p/cc
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ナノマテリアルの計測・評価に関するお問い合わせ先
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電話:03-5920-2356

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