信頼性評価試験、環境試験

ウィスカ評価試験: 金属表面に発生するひげ状の結晶が成長して短絡に至る故障モードに対する信頼性を評価

ウィスカ評価試験

ウィスカ(ウイスカ):Whiskerとは、めっき皮膜表面に発生するヒゲ状の金属結晶のことです。このウィスカが原因となり、隣接する配線が短絡したりすると、信号不良が発生し電子機器が正常に動作しなくなることがあります。ウィスカは時間とともにゆっくり成長し、やがてプリント配線基板上の電子部品の端子に接触して短絡事故をおこしたりします。2000年代前半まで錫(スズ)に鉛を添加し、ウィスカの発生を抑えていましたが、現在は、RoHSなど電子機器の環境対応により、鉛フリーはんだをはじめとする鉛フリーの素材が使用されるようになると、再びウィスカによる短絡が問題視されるようになりました。
OKIエンジニアリングでは、金属表面(めっき層)に発生するひげ状の結晶が成長して短絡に至る故障モードに対する信頼性を評価します。

  • 温度サイクル試験を行い、Sn-Pb共晶はんだ接合部および鉛フリーはんだ接合部の強度試験および断面観察によるはんだ劣化を比較評価
  • 高温高湿試験を実施した鉛フリーはんだ接合基板についてウィスカ発生の有無を観察
  • すずおよびすず合金めっき膜表面に、外部から直接機械的な力が加わって生じる圧縮圧力によって発生するウィスカ成長のリスク評価(外部応力試験)

ウィスカ試験規格

各種国内規格、国際規格のIEC60068-2-82、JEITA ET-7410、JEDEC JESD201のウィスカ試験規格試験を承ります。その他にもさまざまなお客様のご要望の環境条件に合わせて、適切なテスト条件をご提案いたします。

規格 IEC JEITA(※3) JEDEC
IEC60068-2-82:2019
(JIS C60068-2-82:2021)
ET-7410 JESD201
名称 環境試験方法-電気・電子-第2-82部
:試験-試験Xw1
:電気・電子部品のウィスカ試験方法
電気・電子機器用
部品のウィスカ試験方法
Enviromental Acceptance Requirements for Tin Whisker Susceptibility of Tin and Tin
室温試験(※1)

25±10℃、50±25%

4000時間
30±3℃,60±5%RH
4000時間
30℃,60%,4000時間[Technology]
30℃,60%,1000時間[Manufacture]
高温高湿試験(※2) 条件1:85±3℃、85±5%
1000時間
条件2:55±3℃、85±5%
2000時間または4000時間
55±3℃,85±5%RH
2000,(延長)4000時間
55℃,85%,4000時間[Technology]
55℃,85%,1000時間[Manufacture]
温度急変試験 低温:-40±5℃または-55±5℃
高温:85±5
1500cyc
移行時間20秒未満
曝し時間10分間以上
-40±5℃,+85±2
温度保持時間,30分間、20分間も可
1000,2000サイクル(延長)
-55or-40℃,85℃,1500サイクル[Technology]
-55or-40℃,85℃,500サイクル[Manufacture]
プレスフィットの室温試験 25±10℃、50±25%
2000時間
中間検査を1000時間後に実施する
- -
前処理条件

前処理を実施する

JIS C 60068-1,5,3.1に規定する標準状態に少なくとも2時間放置する -
判定基準 プレスフィット
クラス4(200μm以上400μm未満)を超える場合
その他の全ての用途クラス1(25μm以上50μm未満)を超える場合
要求基準に規定される合格判定が合っても良い
- -
  • ※1:温度30±2℃および相対湿度60±3%で作動する試験槽はこの試験に使用する事が可能。
  • ※2:条件1は条件2の試験よりも厳しい条件になる。条件2の2000時間の条件は、旧規格の試験と同様。ウィスカの成長感受性の識別のため、4000時間を追加。
  • ※3:JEITA規格は2010年12月に廃止となり、JIS規格参照に移行されています。

8pin DIP ICリード表面のウィスカ観察

はんだ種
Sn-Ag-Cuはんだ
試験条件
気槽冷熱衝撃試験 -40℃/+125℃ 各30min/cyc
試験サイクル数
1000cyc
備考
はんだ接合部ではなく、リード表面(めっき)からウィスカが発生
実体顕微鏡、マイクロスコープで観察可

8pin DIP ICリード表面のウィスカ観察例
冷熱衝撃試験(-40℃/+125℃)1000cyc後のマイクロスコープ観察、SEM観察

ウィスカ観察例 初期リード表面状態
初期リード表面状態

ウィスカ観察例 冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態(マイクロスコープ観察)
冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態
マイクロスコープ観察

ウィスカ観察例 冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態(低倍率SEM観察)
冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態
低倍率SEM観察

ウィスカ観察例 冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態(矢印部の拡大SEM観察)
冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態
矢印部の拡大SEM観察

40pin DIP ICリード表面のウィスカ観察

観察部位
実装されたソケットに40pin DIP ICが差し込まれていたリード部
試験条件
気槽冷熱衝撃試験 -55℃/+125℃ 30min/cyc
試験サイクル数
1000cyc
備考
はんだ接合部ではなく、リード表面(めっき)からウィスカが発生
実体顕微鏡、マイクロスコープで観察可

40pin DIP ICリード表面のウィスカ観察例
冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面のマイクロスコープ観察、SEM観察

ウィスカ観察例 冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態(マイクロスコープ観察)
冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態
マイクロスコープ観察

ウィスカ観察例 冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態(矢印部の拡大SEM観察)
冷熱衝撃試験1000cyc後のリード表面状態
矢印部の拡大SEM観察

ウィスカ評価試験のお問い合わせ先
WEBからのお問い合わせ:お問い合わせフォームはこちら
電話:03-5920-2366

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