緊急地震速報より得た情報と、現地P波地震計の観測データから今いる場所までのS波到達時間、到達震度を本装置が瞬時に予想します。この2つを組み合わせることにより、より精度の高い情報で安全確実に制御し、大きな揺れが来る前に音声警報、設備の緊急停止、エネルギーの遮断などを作動させることが可能です。震源地との距離にもよりますが、緊急地震速報受信・現地P波観測からS波到達までの余裕時間は数秒~数十秒あります。
この時間を有効に活用することで、安全を確保し多くの二次災害を防止できます。さらに、内陸で発生する直下型地震の震源付近では緊急地震速報の発表は大きな揺れの到達後となる場合があります。この場合でも現地P波地震計は大きな揺れの到達前にP波をキャッチできます。
現地P波地震計の到達震度予想と、複数台設置による多数決判定で確実に地震であることを判断、揺れの直前に制御システムを作動させます。
高精度地震動予測装置
高精度地震動予測装置の岩手・宮城内陸地震実動作状況
当社は、半導体、電子部品、素材、薬品などの工場・プラント向けに 『高精度地震動予測装置』をご提供いたします。 また、ご要望に応じ、ネットワークを活用した地震防災システム構築等を全面的にサポートいたします。本システムは、貴社の人的被害、装置破損を最小限にし、貴社におけるBCP構築に有効なシステムであると確信しております。
半導体製造工場における「大規模地震被害」による被害対応として、被害を最小限にし早期立上するには人的・装置・工場損害最小化対策、ビジネス損失軽減対策が必要です。高精度地震動予測装置は気象庁の「緊急地震速報」と「現地地震計」による併用システム構成で地震情報の精度を上げ、大きな揺れが来る数秒~数十秒前に震度と揺れの到達までの時間を推定します。猶予時間の有効活用で人的災害ならびに経済的損害の軽減を図ります。
配電盤の銅バー幹線補強をすることにより工場内二次変電盤内での短絡防止を図ります。
配電盤の銅バー幹線補強をし工場内二次変電盤内での短絡防止例
半導体メーカーは、1つのチップを製造する過程でKrFスキャナ装置を使用します。KrFとは、シリコンウエハー上に回路パターンを転写するのに使われるレーザー光源の種類で、光の波長は248 nmです。ASML社ではこれを100 nm以下の回路パターンの転写に使用しています。KrFスキャナ装置は高重心化のため地震による揺れが増大し、レンズの大幅のずれや破損が発生する可能性があります。KrFスキャナ装置の、防振機構改良点は地震発生時(震度4弱で作動)にエアマウントを床へ軟着陸させ揺れを軽減させ被害を最小限にします。現状KrFスキャナの耐震加速度100galから加速度400gal以上への強化策実施可能です。
KrFスキャナ装置のエアマウント軟着陸の流れ
テスタプローバ装置とはウェハーレベルでの試験の際、電気を流すためにウェハーに針(プローブ)を当てるための装置でテスタと接続して用いられます。そのテスタプローバ装置の地震対策は、高精度地震動予測装置の制御トリガ信号を受信し、監視プログラムにてテストの強制終了を行い、本震到達前にプローブカードステージを安全な位置へ移動し(プローバーのステージをセパレート位置+約10mm下げる命令をプローバーに送信)、チップとプローブピンの接触を回避します。
テスタプローバ装置の強制終了の流れ