化学分析(RoHS・REACH・環境)

材料中の水分測定

カールフィッシャー水分計
カールフィッシャー水分計

プラスチック成形材料は、水分量が製品や材質に大きく影響をおよぼすことがあります。
たとえば、大気中の水分を吸水することが原因で、射出成形時に、成形品表面に樹脂の流動方向に銀白色のキラキラした筋状の跡が残ったり、樹脂成形機内部で加水分解され樹脂成分が変質することがあります。また、アルミニウム電解コンデンサ中の水分量は、性能劣化を示すファクターとなります。
材料中の水分測定方法として、カールフィッシャー法が信頼度が高いと言われており、水分の検出感度が非常に高く微量水分の測定に適しています。
OKIエンジニアリングでは、様々な試料の水分測定にカールフィッシャー法の滴定方法で対応いたします。

水分測定の対象例と測定の目的

プラスチック成型材料
材料中の水分が発泡の原因となったり、熱分解による分子量低下をきたしたり、その性能に大きな影響を与える。
塗料(インク、ペンキ等)
塗料の水分は、塗装面に泡立ち、凝縮物または塊を作る原因となる。
油分(石油、重油、作動油、再生油)
水分が混入すると、油剤の酸化劣化や加工物の錆発生などの原因となる。
粉末や微小試料
水分気化装置を利用することで、カールフィッシャー法で容量滴定しにくい状態のものでも測定が可能となる。

カールフィッシャー法

カールフィッシャー法は、以下の化学反応を用いた測定方法です。水は塩基とアルコールの存在下でヨウ素、二酸化硫黄と反応します。

H2O + I2 + SO2 + CH3OH + 3RN → 2RN・HI・RN・HSO4H3

当社では、以下3つの滴定(※1)方法に対応しております。

電量滴定法
ヨウ化物イオンを混合した水分滴定用試液の電解によりヨウ素を発生させ、滴定に要した電気量から水分量を求める。
測定範囲:水分量1μg ~ 300mgH2O
容量滴定法
ヨウ素を水分測定用試液中に溶解させ、試料中の水と反応して消費されたヨウ素の滴定量から水分量を求める。
測定範囲:水分量100μg ~ 500mgH2O
水分気化法
試料に含まれている水分を高温加熱し、溶媒に捕集し測定を行う。
(測定は、電量滴定法、容量滴定法のいずれも対応可能)
  • ※1:滴定とは

    サンプルに加えた分析物と試薬(滴定液)との間の既知濃度における完全な化学反応に基づき、サンプル内に溶解している特定の物質(分析物)の定量を決定する分析のこと。
    分析物 + 試薬(滴定薬) = 反応生成物

アルミニウム電解コンデンサ電解液中水分測定

アルミニウム電解コンデンサは、陽極用高純度アルミニウム箔表面に形成された酸化皮膜を誘電体として、陰極用アルミニウム箔、電解液、コンデンサ紙(電解紙)から構成されます。アルミニウム電解コンデンサ中の水分量は性能劣化を示す重要なファクターです。当社では、アルミニウム電解コンデンサ電解液中水分測定を実施いたします。

  • 水分量は、コンデンサを開封し電解液を採取、カールフィッシャー水分計で高感度に定量します

アルミニウム電解コンデンサ、抽出された電解液の写真

材料中の水分測定に関するお問い合わせ先
WEBからのお問い合わせ:お問い合わせフォームはこちら
電話:03-5920-2356

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