メモリの電源ノイズ評価: メモリの電源ノイズ評価のビットエラーメモリの不具合調査が可能
ビットエラーが起きたメモリの不具合調査の一環として、電源にノイズが入った場合のビットエラーの発生について確認しました。実施内容は、良品のSRAMに対し、電源ノイズにより1ビットのみのエラーが発生するかを確認するために、電源が瞬停したような波形を印加し、データの保持状態を確認しました。
評価フロー図
LSIテスター上で評価しますが、電源供給は別系統にし、信号発生器によりノイズ波形を生成し、SRAMの電源へ印加します。LSIテスターと外部電源を組み合わせることにより、電源ノイズによるビットエラー評価が実施できます。
評価環境図
信号発生器により生成した波形の例を示します。下図のような波形を数種類準備し、電源系統へ印加します。
電源への入力波形図
3社の4MSRAMに対し、電源への印加波形のパルス幅を変更して確認した結果、パルス幅が大きい(0Vの時間が長い)場合は、メーカーに関係なく多ビットのデータ化けが確認されました。1ビットエラーに関しては、パルス幅を変更することで1ビットのみのデータ化けすることが確認されました。10回連続試験でFail発生アドレスは異なった箇所であることが確認された。このことから電源にノイズが入ることで、不具合事象と同じ1ビットエラーが起きることが確認できました。また、1ビットのみデータ化けが確認されたパルス波形を3メーカーで比較した結果、1ビットのみのデータ化け、多数ビット化けがあるなど下表に示すようにメーカーにより違いがあることも確認されました。
電源ノイズ印加時のエラービット数