すべての能動型医療機器は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(通称:薬機法)」によりEMC規格への適合が義務付けられています。
2023年2月27日付けで厚生労働省より「医療機器の電磁妨害(電磁両立性)に関する日本産業規格の改正の取扱いについて」(外部サイト:厚生労働省)が発出されました(薬生機審発0227第1号)。これにより、2026年2月25日以降に製造販売される医療機器は、同日発行となった JIS T 0601-1-2:2023 への適合性確認が必要になります(2026年2月24日が移行期限)。
JIS T 0601-1-2:2023 は、医療機器の国際EMC規格 IEC 60601-1-2の4.1版(352KB)と技術的に同等の内容となっており、旧規格の2018年版と比較した主な変更点は、次の表のとおりです。
試験規格 | 試験項目 | JIS T 0601-1-2:2018(旧規格) | JIS T 0601-1-2:2023(新規格) | ||
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①専門的 ヘルスケア 施設環境 |
②ホーム ヘルスケア 環境 |
①専門的 ヘルスケア 施設環境 |
②ホーム ヘルスケア 環境 |
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CISPR11 | 伝導エミッション | 機器に見合ったクラス分類を選択 | 機器に見合ったクラス分類を選択 | ||
伝導エミッションの測定では、試験時の入力電圧は、任意の1電圧のみで可 | 試験対象の定格電圧がワールドワイド仕様の場合、試験時の入力電圧は、最小と最大定格電圧の両方で試験する | ||||
IEC61000 -4-6 |
伝導イミュニティ | 3Vms:150k-80MHz 6Vms:ISM帯 |
3Vms:150k-80MHz 6Vms:ISM帯 アマチュア無線帯域内 |
3Vms:150k-80MHz 6Vms:ISM帯 |
3Vms:150k-80MHz 6Vms:ISM帯 アマチュア無線帯域内 |
メーカー仕様で3m未満の信号入出力ケーブルには試験を適用しない | メーカー仕様で1m未満の信号入出力ケーブル(SIP/SOP)には試験を適用しない | ||||
IEC61000 -4-11 |
電圧ディップ/瞬停 | 0%Ut0.5サイクル(0°,45°,90°,180°,225°,315°) 0%Ut1サイクル(0°) 70%Ut25/30サイクル(0°) 0%Ut250/300サイクル |
0%Ut0.5サイクル(0°,45°,90°,180°,225°,315°) 0%Ut1サイクル(0°) 70%Ut25/30サイクル(0°) 0%Ut250/300サイクル |
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試験対象の定格電圧がワールドワイド仕様の場合、試験時の入力電圧は、最小と最大定格電圧の両方で試験する | 電源ディップ試験は、試験対象の定格電圧がワールドワイド仕様の場合、試験時の入力電圧は、最小と最大定格電圧の両方で試験する。瞬停試験は、任意の1電圧のみの試験で可 | ||||
IEC61000 -4-39 |
近接磁界に対するイミュニティ | - | - | 65A/m:134.2kHz 7.5A/m:13.56MHz |
8A/m:30kHz 65A/m:134.2kHz 7.5A/m:13.56MHz |
附属書F 電磁妨害に対するリスクマネジメント適用の指針 |
4.0版と比較して、より実践的な内容に刷新 |
また、従来の通知に対する変更点として、体外診断装置に対する EMC 規格 JIS C 61326-2-6:2023 他も記載されています。
OKIエンジニアリングでは、上記「近接磁界に対するイミュニティ試験」を含めJIS T 0601-1-2:2023 の試験に対応可能です。また、体外診断装置に対する EMC 試験 JIS C 61326-2-6:2023 も対応可能です。お気軽にお問い合わせください。