EMC測定・製品安全試験

構造試験: 機械的強度、絶縁距離、表示、色等を確認する試験です。

構造試験

機械的強度、絶縁距離、表示、色等を確認する試験です。

テストフィンガーやテストピンを使用し、開口部に指が入った時や充電部や可動部への接触有無を確認します。その他、配線の固定方法、絶縁距離などを確認します。

テストフィンガー,テストピン,テストロッド

安定性試験

転倒のおそれのある機器が物理的に安定しているか確認します。転倒試験では、機器を傾斜した面に置いて試験をします。傾斜角は、IEC/EN60601-1、JIS T0601-1(医用電気機器)で求められる5°と10°、IEC/EN61010-1、JISC1010-1(計測、制御および試験所用電気機器)、およびIEC/EN60950-1、JISC6950-1(情報技術機器)で求められる10°に対応しています。

5°傾斜台,10°傾斜台

安定性試験の傾斜面での転倒試験以外に、寄り掛かり、腰掛けおよび足掛けに対する荷重試験も対応します。

設計上の注意事項

  • 移動姿勢、移動姿勢以外共に、重心が著しく偏らないように注意する
  • キャスタは全点ともロック機能を付与することを推奨(不要な横方向の動き、滑りに対する安定性試験もあるため)

人の荷重による静的/動的な力試験

椅子の座面やステップ、フットスイッチなどの支持、懸垂部に人の荷重を加え、損傷、故障の発生がないか確認します。静的な荷重は、135kgの2倍か、意図した人の質量の2倍を加えます。動的な荷重は、製造業者が装置仕様で決定した適切な質量を座面の上方150mmの高さから落下させます。人の荷重による静的/動的な力試験は、IEC60601-1(医用電気機器)の9.8.3.2項/9.8.3.3項にて要求されています。

フットペダル,椅子の座面の動的荷重試験例

荷重は、約300kgまで対応しています。

設計上の注意事項

  • 負荷が点荷重にならずに、人の荷重を分散できるような支持、懸垂面とする
  • 所定の荷重負荷により恒久的な変形が生じないよう、構成材料、構造に留意して設計をする

敷居を乗り越える移動試験

キャスタ、または車輪を有する機器が、敷居を乗り越えた時に平衡を失って転倒しないかを確認します。45kgを超える機器が対象で、0.8m/secの速度で高さ10mmの敷居を乗り越えさせます。敷居を乗り越える移動試験は、IEC60601-1(医用電気機器)にて要求されています。

キャスタと敷居を模擬した治具
キャスタと敷居を模擬した治具

設計上の注意事項

  • 機器の重心が著しく高い位置にならないようにする
  • キャスタ、または車輪は、可能な限り許容積載荷重が大きく、直径の大きいものを選定する

機械的強度試験

機器の外郭(ケース)に鋼球やインパクトハンマーで衝撃を加え、つぶれ、割れにより危険な充電部が露出しないか確認します。

鋼球,インパクトハンマー

IEC60950-1:2005 鋼球を使用した衝撃試験
IEC60950-1:2005 鋼球を使用した衝撃試験

設計上の注意事項

  • 外的要因に耐えられることを想定して材料を選ぶ(誤って落下、ぶつける 等)
  • モールド材等を使用の場合は強度、厚さに注意する

ダイレクトプラグイン機器のトルク試験

ダイレクトプラグイン機器(※1)がコンセントに過度なトルクを加え、コンセントを破損させてしまわないかを確認します。IEC60950-1(情報技術機器)、IEC60335-1(家庭用および類似用途の電気機器)、IEC60065(オーディオ、ビデオおよび類似の電子装置)などで要求されています。

IEC60950-1
4.3.6項 Direct plug-in equipment 直接プラグイン機器
IEC60335-1
22(22.3)項 Construction 構造
IEC60065
15.4(15.4.1)項 Devices forming a part of the mains plug 主電源プラグ
  • ※1:ダイレクトプラグイン機器(ACアダプタのような直接機器をコンセントに接続するタイプの機器)

トルクの測定には、専用の試験機を使用します。

コンセントトルクバランステスト装置

コンセント/プラグの種類として、以下のタイプに対応しています。

日本、アメリカ、台湾など向け

日本、アメリカ、台湾など向けのコンセント/プラグ

ヨーロッパ、韓国、インドネシアなど向け

ヨーロッパ、韓国、インドネシアなど向けのコンセント/プラグ

設計上の注意事項
  • 機器の質量が大きくならないように注意する
  • 機器の重心がプラグから遠くならないように注意する

樹脂材料の評価試験

機器の樹脂材料の熱に対する耐性を成形ストレスの開放試験ボールプレッシャー試験グローワイヤ試験で確認します。

成形ストレスの開放試験

医療機器の成形された樹脂材料に対し、高温加熱槽(IEC60601-1:温度70℃または装置による規定の温度で実施)に7時間置いた後に、変形や収縮、ゆがみ等がないかを確認します。

ボールプレッシャー試験

危険電圧の部分が直接接している熱可塑性の絶縁材料が、異常熱に対する耐性をもっているか確認する試験です。IEC60695-10-2/JIS C60695-10-2「ボールプレッシャー試験方法」に基づき、IEC60601-1/JIS T0601-1、IEC61010-1/JIS C1010-1、IEC62368-1/JIS C62368-1等で要求されています。
試験は、先端が直径5mmの鋼球状になっているボールプレッシャー試験器を20Nの力で絶縁材料に押し付け、各規格で要求されている試験温度のオーブンに1時間放置します。その後、鋼球によってできた凹みの直径を測定し、2mm以下であることを確認します。

ボールプレッシャー試験の様子

グローワイヤ試験

樹脂材料の難燃性を確認する試験(IEC60695-2)で、この試験により火災の危険がないか、熱による危険がないか(火傷の恐れがないか)の安全性を確認します。650℃(電気用品安全法、IEC60335-1、IEC60950-1等規格により異なる)のグローワイヤ(熱源)を試料に近づけて試料の燃焼もしくは赤熱が起きないか、またはグローワイヤを引き離した後、試料の燃焼又は赤熱が30秒以内に消え(規格により異なる)、かつ使用した包装用ティッシュが着火しないかどうかを確認します。

グローワイヤー試験装置

設計上の注意事項
  • 耐熱性を想定して材料を選ぶ

表示

定格表示ラベルや警告ラベル等が規格要求に適合しているか確認します。

表示例
表示例

定格表示

  • 定格電圧または定格電圧範囲(V)
  • 直流の場合は電源の種類の記号
  • 定格周波数または定格周波数範囲(Hz)
  • 定格電流(mAまたはA)
  • 製造業者名、商標又は識別表示
  • 製造業者のモデル又は型式名称
  • ヒューズの種類
  • 出力(VA)
  • その他の記号
  • 注意書き
設計上の注意事項
  • 複数(多入力)の定格電圧を持つ場合の表記は( / )を用いる。【例】100/240Vと表記する。
  • 定格電圧範囲を持つ場合、範囲の表記は( - )を用いる。【例】100-240Vと表記する。
  • 範囲の表記として( ~ )は誤りである。( ~ )表記は電源交流の表記のため使用できない。【例】100~240Vは表記不可。
製品安全試験に関するお問い合わせ先
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製品安全試験:利用料金表ダウンロードはこちら
電話:0495-22-8411

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