半導体材料ガス分析
ガス製膜・エッチング・クリーニング等の半導体及び液晶の製造工程では、高純度な半導体材料ガス(ホスフィン:PH3、アルシン:AsH3、ジボラン:B2H6)などが使用されます。半導体材料ガスは、特殊材料ガスと呼ばれ、半導体製造工程で使用されるガスで、反応性が高く危険なガスで毒性、可燃性のあるものもあり、その数は39種類あります。一部アンモニアなどは自然界に存在していますが、その他のガスはそれ自体としては自然界には存在しないものです。これらの半導体材料ガスにはppbオーダーの厳しい許容濃度(TLV値)が設定されています。OKIエンジニアリングでは、各種半導体材料ガス分析サービスを実施しています。
- 半導体材料ガスの排出量の測定
- 太陽電池製造ガスの排出量の測定
- 半導体材料ガス除害装置の性能評価
- 半導体材料ガス除害装置の設計・施工・保全
半導体材料ガスに関するお客様のご要望に基づき分析方法をご提案します。
特殊材料ガス一覧表
| 種類 | 物質名 |
|---|---|
| シラン系 | モノシラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、ジクロルシラン(SiH2Cl2)、三塩化シラン(SiHCl3)、四塩化けい素(SiCl4)、四フッ化けい素(SiF4) |
| ひ素系 | アルシン(AsH3)、三ふっ化ヒ素(AsF3)、五ふっ化ひ素(AsF5)、三塩化ひ素(AsCl3)、 五塩化ひ素(AsCl5) |
| りん系 | ホスフィン(PH3)、三ふっ化りん(PF3)、五ふっ化りん(PF5)、三塩化りん(PCl3)、五塩化りん(PCl5)、オキシ塩化りん(POCl3) |
| ほう素系 | ジボラン(B2H6)、三ふっ化ほう素(BF3)、三塩化ほう素(BCl3)、三臭化ほう素(BBr3) |
| 金属水素化物 | セレン化水素(H2Se)、モノゲルマン(GeH4)、テルル化水素(H2Te)、スチビン(SbH3)、水素化すず(SnH4) |
| ハロゲン化物 | 三ふっ化窒素(NF3)、四ふっ化硫黄(SF4)、六ふっ化タングステン(WF6)、六ふっ化モリブデン(MoF6)、四塩化ゲルマニウム(GeCl4)、四塩化すず(SnCl4)、五塩化アンチモン(SbCl5)、六塩化タングステン(WCl6)、五塩化モリブデン(MoCl5) |
| 金属アルキル化物 | トリアルキルガリウム(Ga(CH3)3, Ga(C2H5)3等)、トリアルキルインジウム(In(CH3)3, In(C2H5)3等) |
測定の対象となる半導体材料ガスと分析方法および許容濃度表
半導体材料ガスの許容濃度としては、ACGIH(米国産業衛生専門家会議)が制定しているTLV(暴露限界)のうち、TLV‐TWA※3(時間荷重平均:Time weighted average)が一般的に使用されています。
| 測定手法 | 対象となるガス | TLV-TWA値※3 | 分析方法 | 測定装置 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | モノシラン アルシン ホスフィン 三フッ化窒素 亜酸化窒素 フロン-14 フロン-23 フロン-22 フロン-32 フロン-116 フロン-123 フロン-218 |
5ppm 0.005ppm 0.3ppm 10ppm ― ― ― ― ― ― ― ― |
ガスをサンプリングバッグや真空捕集ガラスビンに直接捕集し、ガス濃度を分析する | ガスクロマトグラフ質量分析装置:(GC/MS) ガスクロマトグラフ熱伝導度検出器:(GC-TCD) ガスクロマトグラフ水素炎イオン化検出器:(GC-FID) |
| 2 | 塩素 | 0.5ppm | ガスに対し選択的に反応・着色する試薬に、ガスを通気させて、着色の度合いから定量する | 分光光度計 |
| 3※1 | ゲルマン(Ge) ジボラン(B) ジクロロシラン(Si,Cl) セレン化水素(Se) 四塩化けい素(Si,Cl) ジシラン(Si) 三フッ化ほう素(F,B) 三塩化ほう素(Cl,B) 塩化水素(Cl,B) アンモニア(NH3) 四ふっ化けい素(F,Si) 臭化水素(Br) 三ふっ化塩素(F,Cl) トリクロルシラン(Si,Cl) 四塩化チタン(Ti,Cl) |
0.2ppm 0.1ppm ― 0.05ppm ― ― C 1ppm※4 ― C 2ppm※4 25ppm ― C 2ppm※4 C 0.1ppm※4 ― ― |
ガスを捕集液中に通気させ液体捕集し、捕集液中の元素※2(単体または複数)を定量し、当該ガス濃度を算出する | ICP発光分光分析装置 ICP質量分析装置 イオンクロマトグラフ装置 |
- ※1: 化合物中の元素を定量する方法なので、同じ元素で構成された異なる化合物の分離定量はできません(例:三ふっ化りんと五ふっ化りんの分離など)
- ※2: 液中の元素は「対象となるガス」の( )内に記載されたものです。
- ※3: 時間荷重平均として示された暴露限界を意味し、ほとんどすべての労働者が毎日繰り返し暴露しても悪影響を受けることがない、通常1日8時間労働または週40時間労働に対しての時間荷重平均濃度です。
- ※4: TLV-TWA値にCの付された数値はTLV-C値で、短時間でも越えてはいけない上限値を表しています。